栄養学科の学生の皆さんにお話ししました

講演会

神奈川県立保健福祉大学 栄養学科の公衆衛生学の授業のゲストスピーカーとしてお招きいただき、学生の皆さんに、食べ物と生態系というテーマについて、酪農や畜産についてを中心にお話ししました。

1限目は、牛乳やお肉の生産現場について。どんな地域で酪農が盛んなのか、反芻動物である牛がどんなすごい能力をもっているのか。もともと酪農や畜産が自然の中で共存するための営みだという側面と、世界的な流れの中で農業構造が変化してきた側面について、ご紹介しました。普段、農家さんや獣医がどんな仕事をしているのか、などのお話もしました。そのあと、食べ物を安全に供給する社会の仕組みについて・・・抗生物質に関してや、と畜場のこと、さらに鳥インフルや口蹄疫など感染症で犠牲になった動物のこともお話ししました。

2限目は、社会と酪農・畜産について。農業地域の背景の一つとして、高齢化やメンタルヘルスの問題、ジェンダーについてお話ししました。最新の動向として、ロボット搾乳やAIでの牛群管理、酪農ヘルパーさんのことなども紹介しました。陰謀論などの悪いイメージや、動物と関わる人が差別や誹謗中傷を受けたりすることがあることについても、お話ししました。生産者と消費者の距離が遠いことは、様々な社会問題の重要な要素だと思います。最後に、アニマルウェルフェアとはどんなものかご紹介したり、酪農・畜産と気候変動についてFAOのレポートを日本語訳したりなど、世界規模の課題についてお話ししました。

授業後に、学生の皆さんからたくさんの感想をいただけました。「食材として扱われるものには様々な議論がありますが、それらが食卓に並ぶまでの想いや過程等知っているか否かで、捉え方が変わると感じました」「動物も働く方も尊重されるような畜産を応援できるように考えて食に携わっていきたいと思いました」など、一人一人、向き合って考えてくださったことが嬉しかったです。 将来、栄養のプロである管理栄養士になる学生の皆さんにお話しできたことは、とても光栄でした。

(11月1日 1・2限目 9:00-12:10 神奈川県立保健福祉大学 栄養学科 公衆衛生学Ⅱ)

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