こんな研究や活動をしています

\ こんな研究活動をしています /

酪農や畜産が盛んな地域で自殺率が高い傾向を明らかに

私が牛の獣医師として働いていたとき、自死で亡くなった方の話を聞く機会が多くありました。農家さん、従業員さん、人工授精士さん、農協の方、獣医師…様々な職業の方が地域の産業にかかわっていますが、何か共通の生きづらさに関連する要因があるのではと考え、研究を計画しました。単に自分の耳に入りやすいだけなのか、本当に自殺率が高いのか、データを用いて調べました。

乳児死亡率に職業間格差があることを明らかに

酪農家女性から、妊娠中の酪農の仕事の大変さ、子育ての際の苦労について話を聞くなかで、子どもの健康を支える社会環境に、世帯の職業による格差があるのではと感じていました。政府公表データを分析して世帯の主な仕事別の乳児死亡率を比較したところ、大企業などで働く世帯に比べ、農家世帯は約2倍、無職の世帯は6.5倍高かったことが明らかになりました。またこの職業間格差の大きさは地域によって違いがありました。

出身国別の都市-農村の自殺率格差を明らかに
:ストックホルム大学との共同研究

スウェーデン全国民のデータを分析した結果、農村では都市に比べ男性の自殺率が高いことがわかりました。農村地域の住人の中でも、出身国によって自殺のリスクが異なっており、海外出身者は特に、都市・農村の自殺率格差が大きい傾向がみられました。
世界的に国際的な移民が増加しているなかで、福祉国家として有名なスウェーデンにおいても、移民がどのように社会に適応していくか、議論が巻き起こっています。国の移民政策や地域環境、移民に対する差別等により、移民は深刻な健康問題に苦しんでいる可能性があります。日本の農村でも海外出身者とともに生活する機会は増えており、共通の課題があると思います。

地域の農家密度と農家のうつの関連を明らかに

農業は地域とつながりの多い仕事ですが、農業者人口は減少しています。数十年前には周囲に10軒以上農家があったけど、いまは自分たちだけ、といった農家さんの声も聞きました。そこで、住んでいる小学校区の農家の多さ(農家密度)によって、高齢者のうつの傾向が異なるか調べました。その結果、農業経験の長い方の中で、人口当たり農家数が少ない地域にお住まいの方では、1.05倍~1.42倍うつが多いことがわかりました。

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